『アバター(AVATAR)』@横須賀HUMAXシネマズ


時間が空いたので、夕食後にレイトショーへ。 J.キャメロン監督最新作「アバターAVATAR)」もうご覧になった方も多いでしょう。
3D映像を観るためのメガネを受け取る。「3Dを堪能するには視界いっぱいに映像を収める方がいい」とネットで予め得ていた情報に従って、前列の席へ。このメガネ、ちょっとカッコいいデザインに変わってはいるが、前に流行ったときの、青&赤のセロファンを貼付けたペラペラ紙製のそれと基本的にしくみは同じなのだそうだ。ポストプロダクションに費やす圧倒的な技術と予算、そしてもちろん監督の情熱(私財を投じて3D用カメラの開発までしたそうだ)が、この今まで観たことのない映像を生んでいる。
間違いなく、ハリウッドの、そして世界の映画を牽引する大監督で、長いキャリアと洞察を手中に収める成熟の力量をもって、普通なら芸術映画というか、シブい人間ドラマへシフトするような気もするが、これほどまでにナイーヴに純粋にファンタジーを追求するというところが、すごいなぁ。
なにより「映画は2次元の世界だった」ということにいまさら気づいた!...今まで映画を観る時は、脳内で3次元に置き換えていたってことを初めて認識して、びっくり。





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Rufus feat Sly Stone @ Blue Note Tokyo 19.Jan,2010


ブルーノートでスライって、どうなの? と迷った末、ギリギリになってやっぱり行くことにした。だって生スライだもの。前回のファミリーストーンでの来日公演は見逃していた。
9pmからの回へ滑り込むと、ロビーのBarには人の列、すでにみんな酒盛り状態&抑えきれない熱気でウキウキ。いつものブルーノートのクールな雰囲気と全然違う。ファンクの神様を観に来たのだから、それは気分もアガるよねー。
トニーとケビンのベテランは手堅く会場を盛り上げる。マダム・ディー(Madam Dee Vo.)の強烈キャラ&ド迫力の声量、トニーの娘にシャカの娘といったフレッシュな世代のヴォーカルもご愛嬌。途中そろそろ飽きてきた(ゴメン!)ところで、いよいよ神様登場。
イントロが始まった途端に、会場は総立ち。「ウォー!!」という歓声の中、スタッフに囲まれながらこっちへ歩いてくるのは、たしかにスライだ〜〜
想像していたよりずっと元気で、声もしっかりしていて、なんだかホッとしちゃった。ルーファスのミュージシャンたちにガッチリ支えられ、気分良さそうに歌うスライの姿に、じーんとしました。
ラストは全員が「Higher!」と手を突き上げ、踊りまくり。スライもステージから客席へ降りて来ちゃって(!)もうファン呆然。あんなファンキーな会場となったブルーノートは初めて。
踊って、発散して、上機嫌の帰り道。たっぷり楽しんだという満足感と共に、一抹の気恥ずかしさも感じる。 往年のスターをフィーチャーし、レストラン付きのライブハウスで、決して安全圏を突き破ることのない、心地良い音とダンス。その洒落た雰囲気を保証する、高額のチケット。こうしてスライを観られたことには感謝しているし、もちろんブルーノートに文句があるわけではぜんぜんない。プロモーターがセットした「同窓会的企画」に、まんまと乗っかって、しかもそれを心から嬉しいと感じている自分に「あーあ」というかんじだ。
汚くて、空気の淀んだ、深夜のライブハウスで、新しい音楽が生まれるあのヒリヒリとした瞬間に居合わせ、それをリアルに感じていた頃は何処。ラクしないでそういうライヴも、たまには観に行こ。






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『牛の鈴音』@銀座シネパトス


韓国で300万人を動員したという映画を観に銀座へ。
農村で暮らす老夫婦と年老いた農耕牛の日常を追ったドキュメンタリーは、ナレーションもなく、音楽も最小限にとどめられ、静かでスローな映像が続く。

おじいさんの思想はシンプルだ。畑に農薬を撒かないのは「牛の食べる草が毒になるから」市販の飼料をやらないのは「高カロリーの調合餌では牛が太ってしまい、良い子を生まなくなるから」(おじいさんは畑仕事の他にも、牛の食事のために毎日大量の草刈りをする) 彼は環境保護の活動家でもなく、有機農法を広めるカリスマでもない。ただ、9人の子と孫たちに送る米や野菜の畑には農薬を使わないと、心に決めているだけ。それは、効率という名の宗教に身を捧げるわたしたちが、なにより恐れている暮らし方でもある。
農村の四季折々や、風の音、鳥の声、せせらぎなどが印象的なこの映画は、じつは自然回帰や、田園礼賛ではなく、愛の物語だ。年老いた牛の体調を気遣うとき、おばあさんの小言をだまって聞き流すとき、お盆に帰って来た子供たちとの賑やかな宴のとき。愛する対象を見つめる、おじいさんのまなざしは、なんと深く、うつくしい。
たとえ都会で忙しい毎日を暮らしていても、自分の欲望を満たそうとしゃかりきになる時間を少しだけ止め、家族や友人といった身近な存在へちゃんと関心を向け、その幸せを阻むことへは間接的にでも加担しないようにする、もしかしたら日々の暮らしのそういう積み重ねで、状況はなんとかよくなっていくかもしれない、そんな風に思わせてくれる映画だった。

牛の鈴音 公式サイト
http://www.cine.co.jp/ushinosuzuoto/





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『Rescue Dawn 戦場からの脱出』ベルナー・ヘルツォーク監督@DVD

日本では劇場未公開のままDVDリリースの作品。ヘルツォーク監督がハリウッドでベトナム戦争ものを撮るという意外な組み合わせに「やっぱりジャングルを撮らせるなら彼というので、指名が!?」と思ったが、97年に同じ題材のドキュメンタリーを撮っているそうです、満を持しての映画化だったわけだ。
墜落事故で捕虜となった米軍パイロットが、苦難の果てに奇跡の帰還をする実話がベースになったストーリー。オープニングはうつくしい質感の空撮シーン。すでにヘルツォーク節は全開。スゴかった、全編を貫く緊迫感。
50年代の米国でスクスクと育ったであろう気の良い若者が、突然極限状態に置かれ、ジャングルをさまよううちに、狂気に触れるほどの体験をする。これをサバイバル劇として観ることもできるが、わたしは戦争の悲惨と無益を淡々と描く監督の、普遍的なメッセージとヒューマニティに心を打たれた。
舞台となった65年当時、ベトナム戦争があれほどまでに泥沼化すると想像した米国人はいなかったろう。主人公も、任務は訓練通りに行われてほどなく帰還すると思っていたに違いない。一体何が起こっているのかという主人公の戸惑いや疑問、先に捕虜となっていた仲間たちの、長い収容所生活によって奪われてしまった気力や希望、戦争に巻き込まれ、看守として駆り出されていたラオスの人々の恐怖。敵も味方も区別なく、彼らのリアリティに目を背けることなしに描かれる緻密な演出。それを望んだ者はひとりもいない。戦争って何のために誰がするのか。
レビューでは捕虜役の俳優陣が、おそらく10kg越えの減量をしたことが話題になったようだが、骨と皮に痩せこけ、さまよい歩く捕虜、筋骨隆々で贅肉のかけらもないベトナムの男たち、豊かさを象徴して肉付きのよい米国兵の対比は、台詞もないシーンの、ただ映し出される彼らの姿だけで、あらゆる雄弁さをもって語られる。ここまで細部にわたって明晰に演出しようという監督と対峙するためには、どんなに辛かろうと減量しないわけにはいかなかったでしょう、ああ大変だ。




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貴重な旬の味!天然はば海苔


矢野顕子リサイタル in 鎌倉 2009」で鎌倉芸術館へ。年末の「里がえるコンサート」@NHKホールへ出向くのが毎年12月の恒例行事だが、ここ数年は鎌倉芸術館でもライヴが開かれるようになったので、こちらに鞍替え。友人夫妻を誘って一緒に出掛ける。今年の『ラーメンたべたい』は、凄みさえ感じるほど素晴らしい演奏だった! ピアノと相思相愛の彼女を見ているだけでシアワセ。
コンサートの後は葉山の料理屋で河豚コース。クリスマスイヴって言ったらシャンパン&ケーキじゃないの??ってところですが、「夜遅い食事だから、軽いものにしよう」ってことに。やれやれ、こんな大人になっちゃうとはなー。

ご主人の遊び心?ふぐ刺しのクリスマス・バージョン...^^)
予約の電話をした際に「はば海苔を 仲良しの漁師さんから分けてもらえますよ、お好きでしたよね? 」という嬉しい情報に飛びついて、我が家の分をとっておいてもらった。
12月〜2月の、ほんのいっときだけ採れる、天然のはば海苔は、房総半島から三浦半島にかけてのロコ・フード。地元の漁師さんたちはお正月の雑煮に入れるそうです。「今年もはば(幅)が効く」といって縁起物なのだとか。ところが環境の変化や採る人が少なくなったことなどから、このあたりでもめったに店には出回りません。口コミや予約でほとんど完売。ときどき年末の市場で見かけることもあるけれど、おそろしく値段が高い。

ほんの数枚ほども分けてもらえればラッキーと思っていたのに、こんなにたくさん!ありがとう。
厳寒のこの時期、潮の引いた岩礁で海苔を採る作業は、どんなに厳しいことだろうと、漁師さんに感謝しつつ、丁寧にゆっくり直火で炙れば、なんとも言えない鮮やかなグリーンが現れ、辺りには香ばしい磯の香りが漂う。この香りをお届けできないのが残念。
そのまま酒の肴やおやつに。または手で細かく揉み、炊きたてご飯にのせてお醤油をたらり。あ〜、他にはなんにもいらないっ。




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ある日曜日


岩場が続き、波の穏やかな葉山湾は海藻や貝類が豊富で、サザエも名物のひとつ。柔らかくて超旨い
早朝坐禅会。起床時はまだ暗い。身支度するうち白々と夜は明けてゆく。冬の坐禅は寒さがつらいけれど、夜明けの静けさはいい。
帰る道すがら急に思い立って葉山港の朝市へ。町内で開催される「環境フェスタ」で分散されたため、今朝はいつもより人出が少ない。あちこちのメディアで紹介されるようになってからは何かのお祭り?ってほどの混雑ぶりに人疲れしてしまい、足が遠のいていたので、立ち寄るのは数年ぶりだ。それでも菓子店の切り落としコーナーには、ざっと見て30人以上の列! ここは素通り。

ちょうど出店されていたル・ボスケのご夫妻に挨拶して、葉山産のサザエ、地ダコをゲット。サザエは8個で1,000円也。

ひと休みして、早めのランチをつくる。釜揚げうどん、蕪と油揚げを炊いたもの、冷蔵庫の大豆&ヒジキ煮。
午後からはヨガのクラス。お茶を飲みながらのディスカッション、テーマはawareness(気づき、目覚め)& mindfulness

夜は鎌倉の腰越へ。個展が開かれている友人の、今日はオープニングパーティ。漆作家である彼は漆と蒔絵の技法を駆使してファンキーな作品をつくる。新作もまたぶっ飛びの作品の数々。展覧会は11/23まで。

帰宅後、タコのカルパッチョルッコラのサラダ添え、さざえの壷焼きでビール。Bioの白ワインにチェンジしてフォッカッチャ、マッシュルーム&黒オリーヴのスパゲッティ。デザートはチョコレートアイスクリーム&ハーブティー。後片付けして、ようやくソファに座ったらいつの間にか居眠りしていた。ラヴェンダーとローズゼラニウムブレンドしたバスオイルを作ってお風呂に入り、いま午前1時半、ブログを書いてる。
スローライフな日曜とは言えなかったかしら?



『ナカジ美術 Party&Party』
ART & Dining Space たぶのき  http://www1.kamakuranet.ne.jp/tabunoki/
 
中島靖貴氏 『美術手帖』に特集されているので、ご興味ある方はこちらも

美術手帖 2009年 09月号 [雑誌]

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Keith Jarret 『TESTAMENT - PARIS, LONDON -』

テスタメント

テスタメント

キース・ジャレットのソロ・アルバム3枚組は、2008年11月26日のパリ「サル・プレイエル」12月1日のロンドン「ロイヤル・フェスティバル・ホール」公演を収録したライヴ盤。
もちろん、リリースされてすぐに聴いて、部屋でも移動の車内でも、繰り返し聴いているのだが、早くブログへエントリーしようとPCへ向かっても、いざとなると何をどう書けばよいかと、思わずため息が出て、日が過ぎた。...それほど素晴らしいピアノ・ソロ!
75年の『ケルン・コンサート(The Köln Concert)』を10年遅れで初めて聴き、クラッシックでもない、ジャズとも言い難い、このうつくしい音楽に心を掴まれてしまったひとりです。きっとみんなもそうだよね? この2枚組のレコード(当時はレコード盤)丸ごとが即興演奏のライヴだなんて、とても信じられなかった。以来CDはもちろん、東京での演奏会ならば、そのすべての公演へ駆けつける。即興のソロは、同じツアーでも演奏の中身は全く違うので、聴き逃せないと思ってしまうのだ。
彼のピアノを聴くときはいつも、心の奥底にしまわれていて、それに自分でも気づかないでいる、純度の高い「感情」が姿を現し、なんというか「魂」そのものに触れられるような気さえするのだが、ライヴへ足を運ぶようになってから、ますますそう感じるようになった。彼が静かにピアノの前へ座り、無からひとつひとつの音を紡ぎだしていくプロセスに、聴衆も立ち会う。繰り出されるフレーズを共に楽しみ、彼がフレーズを探しているときもまた、一緒にさまよう。この一瞬に奏でられ、空間の中に消えてゆくピアノの音をいつくしむ。
このライヴ盤も、まさにそれをビシビシ伝えてくる。会場で聴いているかのような緊張と高揚と甘美な味わい。
あぁ、またライヴへ行きたい。可能な限り何度でも行きたい。それがキースなのですね。




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