Ry Cooder『I, Flathead』

アイ・フラットヘッド

アイ・フラットヘッド

7/23発売ライ・クーダーのニューアルバムはカリフォルニア三部作と名付けられた『Chavez Ravin』『My Name Is Buddy』に続く最終章。
ソロアルバムをお休みしていた約20年(!)の間に磨きをかけたサウンドトラックの手法をも余すところなく伝える傑作。物語の中にグイと引き込まれ、まるで映像(もちろん存在しないのだけど)が目に浮かんでくるよう。

ロックンロール、テックスメックス、カントリー、果てはジャズまで、1曲ごとに曲調が展開していく、楽し〜〜!! しかも今回はルーツミュージックの相方がいるわけじゃなくて全曲オリジナルだ(彼のライフワークは、世界各国へ出掛けて行って現地のミュージシャンたちとアルバムを制作し、音楽の多様性を発掘するという、まさに探求の道)還暦を過ぎてこのハジけっぷり、カッコ良すぎ。
チャイナタウンあり、高級パシフィックリムが大人気、普通の住宅街にメキシコ料理屋、スーパーマーケットのデリに寿司ロールと、移民の数と比例して食文化もミックスしていくカリフォルニアを思い出す、そしてなぜかどれを食べても可笑しいくらいアメリカンな味。壮大な三部作の締めくくりで彼は自身のルーツを表現している。