『現代アートバブル』と、自宅で楽しむアート

現代アートバブル (光文社新書)

現代アートバブル (光文社新書)

ギャラリストが語る現代アート事情の本。作品の解説よりアート市場のしくみやアーティストやコレクター、ギャラリストが支え合って発展していくアート界の様を具体的に伝える方に重点が置かれていて、浮世離れしているように見える彼らの営みもまた経済や社会貢献といった普通のリアリティに直結している(当たり前ですが)。
好きで少しずつ集めたアートを自宅に置いて、眺めたり外出前にバタバタその前を通り過ぎたりの日々はその時々で感じ方が変わって面白い、そしてゲストの反応も様々。思いがけない感想が糸口となって話が盛り上がったり、まったくそこにないかのようにスルーする人がいたり。作品について何も語らなくても、じーっと見つめていたり。
印象深かったのは、自宅の建築をお願いした工務店の若社長さんと大ベテラン棟梁の様子。作品を飾るスペース優先で設計しホワイトキューブ(ギャラリーのような白い四角い箱の部屋)にするため「巾木いらない、ドアいらない」など、こちらの突飛なオーダーをガシっと受け止めてくれました。引っ越し後、森万里子のドローイングの、繊細で消え入りそうな色彩の前で「オレはこういうのわかんないけどさ。いいねぇぇ、これはいいよ」とニコニコ長いこと眺めていた姿にグッときちゃった。
心の会話ができるこの幸せは何ものにも代え難い。もうブランドもののバッグもダイヤモンドもいりません〜。





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