楽しい会社ってどんなところ?

ぶれない経営―ブランドを育てた8人のトップが語る

ぶれない経営―ブランドを育てた8人のトップが語る

十数年来、家族共々たいへんお世話になっている知人の新著。
経営者へのインタヴュー集ですが、話し手の内面や来し方、経営にたいする想い、ヴィジョンにいたるまで、率直な口調や人間性がライヴに引き出され、専門的な経営論や指南書というよりむしろ、個性的で濃密な人生にふれる読み物として面白かった。
ユニークな事業展開とそれを成功に導いた実績を持つ社長さんたちが異口同音で語るのは、経営は芸術であり、自己表現だということ。利益がでなければもちろん会社は存続できないが、だからといって儲けのみを追う経営には興味がないのだとも。特に印象的だったのは、そこで働く社員や恊働するスペシャリストたちが、誇りを持って仕事をしている様子を垣間見ること。その会社にステータスがあるからではない、ここでなら自分を押し殺すことなく、やりたいこと、面白いことができる。だからこの会社で働くことを選んだのだと、彼らが言っているよう。会社から雇われているという上下関係の意識よりも、自分が納得できる生き方を続けられるからここで働くという、対等な意志を感じるのだ。トップがその企業のカラーや在り方を体現するとするならば、本書で紹介された会社に働く人たちが生き生きしているのは当然かも。
経済成長がミッションだった頃、ニッポンの隅々までモノを行き渡らせる大量生産、大量消費は貧しさから抜け出すための錦の御旗だった。その恩恵と、そして弊害も十分にこの身に受けたわたしたちは、もうそろそろ違う生き方へシフトし始めようとしている。食うために働かなくてはいけないのは皆同じ。だったらなるべく個人生活に無理のない働き方や職場がいい。現代の素晴らしいテクノロジーを、もっともっと儲かることよりも、その実現の方へ使ってほしい。だって、カイシャが楽しくて、毎日生きることにワクワクしている、そんな大人が周りにたくさんいたら、きっと子供たちの今はもっとハッピーで、将来大人になるのもそう悪くはないなと、きっと思うだろうから。





ブログランキングに参加しています。

オーガニック料理部門はこちらをご覧ください↓

にほんブログ村 料理ブログ オーガニック料理へ