庭づくりのコンセプト

ポール・スミザーのナチュラル・ガーデン

ポール・スミザーのナチュラル・ガーデン

新緑のまぶしい季節、風は乾いて太陽は燦々、まだヤブ蚊もいないこの時期は庭に出るのが楽しみで、用事や遊びは後回しにして、時間が許す限り庭で作業をする日々。
というと、整った庭で優雅に薔薇などを手入れする様をご想像されるかと思いますが、さにあらず。この家に越してきてまだ1年4ヶ月、昨春は引っ越し直後のダメージで動けず、夏からは花より団子と菜園を優先したせいで、庭は腰の丈まで草ボウボウ。「新居へ遊びに行くね!」と来てくれた友人たちがリビングから庭を見るなり、一瞬絶句するような有様でした、あーあ。
今年はようやくその気になって、2月頃からまずは整地の作業。果樹の混み合った枝を切り落とし、枯れた木の根っこを掘り上げ、絡んだツタをほどく。雑草が巨大化してすっかり樹木へ変貌しているのを払う。大量に出た小枝と落ち葉を積み上げ、裏庭で堆肥をつくり、石ころを取り除いたせいでへこんでしまった地面へどんどん投げ入れる。都合3ヶ月かかってようやく庭らしいスペースができてきた。いよいよ、心躍る花の苗選び! 園芸店では、先週あたりから扱う苗の数と種類が増え、色とりどりの花々が所狭しと並んでいる。
...ところが。
カラフルで可愛らしい花を咲かせるポット入りの一年草には、ちっとも心が動かないのです。キレイだとは思うけれど我が家の庭にあることを想像できない、なぜだろう。気が向くのは奥のエリアにある地味な草、かなりシブ〜い枝もののコーナーばかり。結局そのまま園芸店を後にして、本屋へ向かう。
ポール・スミザーは農薬をいっさい使わない多年草の庭作づくりに定評のあるガーデナーだそうだ。多年草が根付いて花を咲かせるようになるまでには数年かかる。すぐに花が欲しいからといって、安易に一年草を植え込めば、多年草に必要な栄養を横取りしてしまうことになり、多年草の成長はますます遅れる。一年草を季節ごとに取り替え、花を絶やさないようにしようとすれば、即効性の化学肥料を施さなくてはならない。人間の都合(欲望?)で、あれもこれもとぎっしり埋め尽くした植栽は、密集のせいで風通しを妨げ、病害虫の原因になる。それなら農薬でさっさと退治する??  
このごろ不思議に思うこと。口にする野菜は「無農薬、有機栽培」と気にする人も、ガーデニングには何の抵抗も無く簡単に化成肥料や除虫剤、消毒薬を使う。園芸書を読むとき、当たり前のように化成肥料や農薬を使うよう書いてあることに驚く。庭と菜園は地続きだってこと、空気や雨水の循環でつながっているっていうことを、忘れているかのよう。
「植物も花の咲いていない時間の方が長いんだよね」「花ばかり意識しないで庭を作るとだんぜん楽しくなるよ。花を追いかけすぎると疲れてしまう」10代の終わりにはじめて日本を訪れたという彼は、まず山の野草を見て歩いたとか。そして日本の風土にあった植物をサーチしては依頼された庭づくりへと生かしている。「そこにあるものを使って作る形や色彩は、そこの空気に溶け込んだ自然で気持ちいいデザインになるんだと思う」
うん、ナットク。まずは裏山、それから葉山のハイキングコースにある木々や花々を観察することから始めよう。

ポール・スミザー氏のつくった庭はここで見られるようです。わたしも早く行きたい!
宝塚ガーデンフィールズ内 「シーズンズ」
http://www.gardenfields.jp/seasons.htm





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