Keith Jarret 『TESTAMENT - PARIS, LONDON -』

テスタメント

テスタメント

キース・ジャレットのソロ・アルバム3枚組は、2008年11月26日のパリ「サル・プレイエル」12月1日のロンドン「ロイヤル・フェスティバル・ホール」公演を収録したライヴ盤。
もちろん、リリースされてすぐに聴いて、部屋でも移動の車内でも、繰り返し聴いているのだが、早くブログへエントリーしようとPCへ向かっても、いざとなると何をどう書けばよいかと、思わずため息が出て、日が過ぎた。...それほど素晴らしいピアノ・ソロ!
75年の『ケルン・コンサート(The Köln Concert)』を10年遅れで初めて聴き、クラッシックでもない、ジャズとも言い難い、このうつくしい音楽に心を掴まれてしまったひとりです。きっとみんなもそうだよね? この2枚組のレコード(当時はレコード盤)丸ごとが即興演奏のライヴだなんて、とても信じられなかった。以来CDはもちろん、東京での演奏会ならば、そのすべての公演へ駆けつける。即興のソロは、同じツアーでも演奏の中身は全く違うので、聴き逃せないと思ってしまうのだ。
彼のピアノを聴くときはいつも、心の奥底にしまわれていて、それに自分でも気づかないでいる、純度の高い「感情」が姿を現し、なんというか「魂」そのものに触れられるような気さえするのだが、ライヴへ足を運ぶようになってから、ますますそう感じるようになった。彼が静かにピアノの前へ座り、無からひとつひとつの音を紡ぎだしていくプロセスに、聴衆も立ち会う。繰り出されるフレーズを共に楽しみ、彼がフレーズを探しているときもまた、一緒にさまよう。この一瞬に奏でられ、空間の中に消えてゆくピアノの音をいつくしむ。
このライヴ盤も、まさにそれをビシビシ伝えてくる。会場で聴いているかのような緊張と高揚と甘美な味わい。
あぁ、またライヴへ行きたい。可能な限り何度でも行きたい。それがキースなのですね。




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