ふきの含め煮


早春を告げるフキノトウに続き、再び春の味覚を求め、サンダルつっかけ裏山へ。
木漏れ日に輝く若草色の、リズミカルに連なる丸い葉っぱ。この風景に出会うのは毎年のコトと、わかってはいても、興奮max!
子どもの頃、今はもう住宅街に変わってしまった近所の川沿いの土手で、家族と出掛けた行楽地で「あっ、フキ、フキ!」「こっちは、芹よ!」と、花見などそっちのけで地面へしゃがみ込み、野草摘みに夢中の祖母や母の姿を思い出し、このココロの高まりは、おそらくDNAのなせるワザかと。
その証拠に、フキや筍の献立を、ひとくち箸でつまんで「もう結構」という家人には、連日フキだの筍だのって理解できないらしい。まぁ、昨日だって一抱えも摘んできて、鍋一杯炊いたばかりだというのに、今日もせっせと蕗を摘むのはどうしてか、自分でもわからない。でも、楽しいんだもん、おいしいんだもん(だからきっと、DNAのせいなのだ)
他所の味はわからないけれど、母の味とおなじに炊く。昆布と鰹の出汁にみりん、塩、薄口しょうゆ。煮汁が沸いたところへひとつかみ追い鰹してから火を止め、一度冷ます。鍋にフタをしながら「含め煮はね、冷めるときに味が入っていくものなのよ」って毎度必ずおまじないのようにつぶやく母の口癖がいつのまにかわたしにも。



フキは塩を振って板ずり。掌でゴロゴロと押す

さっと湯がいて冷水に取れば、色鮮やかに。端からツーっと、皮を向く。


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