思想家の使命

暑い。
こう暑いと何もできないねーと畳に寝そべって読書。顔の近くに畳と本のにおいがしてときどき縁側から風が抜ける。夢中でページを繰るのだけどいつの間にか寝てたり。子どもの頃からずーっと変わらない炎天の昼下がりの過ごし方。怠け者は三つ子の魂か?

こんな日本でよかったね─構造主義的日本論 (木星叢書)

こんな日本でよかったね─構造主義的日本論 (木星叢書)

いつでも思わずケラケラと笑っちゃうし解った気になるしで人気があるのも当然。ネットでレヴューを検索すると「現代日本に潜む問題をユーモアを交えながら斬る!」というトーンが多いね。むしろ笑いの影に思想家の重い使命を感じる。「レヴィナス老師とは使命感の重みが違う」と謙遜されてますが。思想家というと日常とかけ離れた抽象的な観念をひたすら考えてる頭の良い人などとつい片付けてしまうけれど、私たちと同じ出来事(経験)に接しそれに突き動かされ、人々がどうよく生きるかあるいは生存するための指針をつむぐ覚悟をする人のことなんだと改めて思う。
レヴィナスラカンは「喪主であることを引き受けようとした例外的な人々である。
 構造主義者たちが「主体の死」ということを言い出したとき、私たちにはその思想史的文脈が見えなかった。
 彼らは「ヨーロッパ的主体には、第二次世界大戦の死者を弔う資格がない。ヨーロッパ的・近代的主体は喪の場から去れ」と告知していたのである(聞いてびっくり)
 構造主義は、彼らなりの「喪の儀礼」であったと今では思う』本書より引用。
寝ながら学べる構造主義 ((文春新書))

寝ながら学べる構造主義 ((文春新書))

白状すると、20年前ただのファッションで本棚に並べていた構造主義の本を勉強し直そうと始めたのはつい最近です。マイブーム再訪のキッカケになった本。
内田 樹氏のブログ 
http://blog.tatsuru.com/





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