Pat Metheny『Orchestrion』

- アーティスト: パット・メセニー
- 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
- 発売日: 2010/01/27
- メディア: CD
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タイトルのオーケスリオン(Orchestrion)とは、19世紀から20世紀にかけて実在した、複数の楽器を同時に演奏する自動演奏器だそうです。これをコンセプトに、パットが新しくつくりあげた現代版オーケストリオンは、様々な楽器と、少しずつ違う量の水を入れたボトルまでが棚にずらりと並ぶ。それに囲まれ、同時演奏でパットがギターを弾くという趣向。
むかしのオーケストリオンと違うのは、プログラム(むかしはパンチングカードの穴)を読ませて単に再演奏させるだけではなく、演奏をコントロールできることにあるらしい。そのための電磁スイッチを開発したり、空気力学などのテクノロジーを駆使して、しくみをつくりあげたとか。飽くなき探求心に脱帽。
コンピュータの打ち込みでも、バンドと一緒に演奏するのでもない、自動演奏のアコースティック楽器と共演する。そのアイデアのひらめきを見事に実現させた革新性を、頭ではじゅうぶん理解できるし、スゴい!と思う。しかし、眼前に現れたこの初めての体験、凡人のわたしはなかなか受け止めきれないでいる。他のレビュー見ても、素晴らしいサウンドに興奮しつつ、みんな一様に困惑しているようだ...^^;) 「ちょっと笑える」「バンドのメンバーに指示を出すのが面倒になったのか?」...だよね。
芸術家が見ている視線の先に何があるのか、わたしたちはただ追いかけるしかないわけだが、我が身の中の固定観念が揺らぎモヤモヤする経験こそがアートだし、こんなことを味あわせてくれるアーティストはそういない。
現代版オーケストリオンを見て、あっけにとられたい(?)方は、こちらの映像をどうぞ。パットも熱のこもった口調で語る。これはライヴへ行かなくては!
来日公演は6月の予定。
ワーナーミュージックジャパン
http://wmg.jp/artist/pat_metheny/news.html#28679
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