『これからの「正義」の話をしよう(Justice What's the Right Thing to do?)』マイケル・サンデル著
これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学
- 作者: マイケル・サンデル,Michael J. Sandel,鬼澤忍
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2010/05/22
- メディア: 単行本
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ハーバード大で人気を誇る講義を本にしたもので、ものすごく面白いと聞き、早速手に取る。
著者のプロフィール欄にはこんな説明文。もう、ワクワクする〜〜
類まれなる講義の名手としても著名で、中でもハーバード大学の学部科目「Justice(正義)」は、延べ14,000人を超す履修者数を記録。あまりの人気ぶりに、同大は建学以来初めて講義を一般公開することを決定、その模様はPBSで放送された。この番組は日本では2010年、NHK教育テレビで『ハーバード白熱教室』(全12回)として放送されている。
NHKでこの春から放映されていたそうですから、ご覧になった方も多いでしょう。
本も、期待通り。わたしたちが日頃の生活で直面する様々な出来事や例を引き、平易な言葉で語られるので、難しい政治哲学の中身やそれぞれのイズムを「ほぅ、こういうコトなのかー」っていう具合にすいすい理解できる。
しかし。 講義はわかりやすくても、そこで展開される対話、そして導こうとする結論は、一筋縄ではいかない。だって「1人を殺せば5人が助かる状況があったとしたら、あなたはその1人を殺すべきか?」というのが最初の質問。うーーむ。
その他にも、代理出産、富の分配、共通善、それから同姓婚や妊娠中絶についてetc... 。道徳的、宗教的背景が異なる多元的社会に共存するわたしたち(「最善の生き方について一致しない」)が、どうすれば正しい行いを選択できるのかといった問いが続き、1章読むたびに、ともかく本を脇に置いて、あーでもないこーでもないと考え込む。そんなこんなで読了するのに時間がかかった。もっと早く紹介したかったのだけれど。
さて、サンデル教授は、もうすぐ来日し8月25日に東京大学の安田講堂にて特別講義を行うそうです。その模様を『白熱教室 IN JAPAN』として、秋にNHKが放映する予定とか。
講義は、ハーバード大受講生とのやりとりと同様に対話形式で進められ、その受講者を一般公募している。
あっ、締め切りは今日だった!
http://www.nhk.or.jp/harvard/
それを受け、春にオンエアされた番組が一挙再放送ですって(8月11日〜21日NHKBS)これは見逃せないね。