Radiohead @さいたまスーパーアリーナ 04.Oct,2008


昨日はRadioheadのライヴに。周囲の邪魔にならないようパッとケータイで撮った写真で伝わるかどうか。アリーナチケットが手に入った幸運に感謝。
先週は車に乗る度にカーラジオから彼らの曲が流れ、どのパーソナリティも「週末はいよいよ来日公演ですね〜」とコメントするものだから、いやがうえにも気分は盛り上がってました。
言わずもがなの、当代一のバンド。待ちきれない観客の興奮は登場と同時に爆発するも、やや落ち着いた感じでスタート。後半へ向かうにつれてトムの自在なヴォーカルはますます伸びて疲れを知らない(ほんとにこのまま一晩中歌えるのではないかと思っちゃうくらい)一曲ごとにメンバーが色々楽器を持ち替えるわ、即興で日本のニュース音声をリミックスするわで飽きさせない...というどころか、いつもそうだけど音の新しさに圧倒された〜!! 繊細な男の秘めるパワー炸裂、あれはいったい何なのだろう。。カリスマってこういうこと?ともかくすばらしい芸術を全身に浴びた幸せなひとときでした。
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DVD『once ダブリンの街角で』

日曜の夜に観て翌日もまだ余韻が残ってる。
きっと誰にでもある、人との関わりの瞬間(でも簡単に言葉にしたり、その感情を取り出したりできない、とてもフラジャイルな経験)を切り取った素敵な作品。音楽を題材にした映画の良いところはサントラでまた楽しめること。もちろん即ダウンロードして聞きながらこのブログを書いてます。主演のグレン・ハンサードが歌うアイリッシュ・ロックの叙情が心に沁みる。
ジョン・カーニー監督は映像のキャリアをスタートする頃、グレンのバンド「ザ・フレイムス」のベーシストでもあって(後に映像作家へ転身)彼らは長年の友。インタヴューで「プロとして表現活動を始めたのはグレンに誘われたのがキッカケだった。この映画で彼に恩返しができたと思っている」と話していて、ふたりの創作活動の物語と映画のストーリーがある面では入れ子の構造になっているわけだ。
予算10万ユーロ(約1600万円)2台のハンディカメラだけを使い数週間で撮り終えたのは、それがこの作品に合うスタイルだと監督が判断したからだそうだが、つくり手の明確な意志も、即興的な演出でしか捉えられない繊細さも、同時に表現しきっている。才能を認められた監督が超大作に挑戦できるショービジネスのシステムは、成功への階段のひとつだが、表現したいものの特性に合わせてサイズや手法を自在に選ぶ(自由がある)という潮流も、映画がどんどん洗練されているという証左。これはヴィム・ベンダースが『ランド・オブ・プレンティ』で開いた道か。
地味な作品ながらじわじわと口コミで人気が広まり 2008年度アカデミー賞歌曲賞。グレンはどこかで観たことあると思ったら『コミットメンツ』('91)に出演してたね。これも音楽モノ青春群像の佳作。
Cost (Dig)

Cost (Dig)

「ザ・フレイムス」のアルバムにも2曲収録。エモーショナルなサントラに対しこちらはもう少しタイトなアレンジ。グレンは感情を爆発させる歌い方をしても決してナルシスちっくに陥らず、確実にズシンと届けてくる。

ご近所の仲良しさん


プロフィール欄の可愛いお野菜たち。 気になっていたでしょう?
これはご近所の仲良しAyaka嬢の作品です。帆布に絵を描きその上からミシン刺繍を施すというオブジェ・シリーズ。自然の動植物をモティーフにしていて、とりどりの色彩はただ可愛いだけじゃなく彼女の鋭い観察力が伝わってきていつまで眺めていても飽きることがないのです。展開しているブランドconejo(コネホ)にはハンドメイドのバッグも。ラブリーな作品と彼女自身が醸し出すおっとり美人の雰囲気にも関わらず性格はさっぱり&芯が強い、美味しいゴハンとお酒を共に楽しむ相棒です。双方のキャラのせいかいつも男同士で飲んでる気になるのだけど。。。^^;)
彼女は最近「ELLEセレブブログ」にエントリーして、毎回素敵なイラスト満載のブログを届けてくれています。料理ワークショップの様子もありますよ♪会が終わった後もあの時の楽しさがよみがえってくるよう。
来週開催の8月ワークショップはタイカレー・パーティの予定です〜

アーティスト中川彩香の葉山便り
http://blogs.elle.co.jp/lifestyle/ayaka/





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友と再会、アート談義


友がワインを手土産に訪ねてくれて久しぶりの再会。
酒豪(?)な女3人の話はつきない。学生気分の20代は似たりよったりのライフスタイルなのが、オトナになると仕事上の責任が増えたり家族を持ったりと、暮らしぶりはそれぞれ違ってきて会う頻度もぐっと少なくなる。たとえ数年振りの再会でも、他人行儀な挨拶は一切抜きでスッと昔通りの関係というか距離感を持てるのが、旧友の良いところ。ちょうど西村画廊から町田久美の新作が届いたばかりだったので、作品を前にアート談義にも花が咲く。友人は勤めている会社で新進作家を紹介する展示プロジェクトに携わっている、いわばアートの目利き。最先端のアートシーンを聞けて楽しかった。

アーティストは境界線上で踊る

アーティストは境界線上で踊る

水先案内人に導かれその世界を垣間見ることができると、難解に思える現代アートも途端に鮮やかな印象を帯びる。斉藤 環氏の著書はその視点が面白くていつも感嘆するばかり。このインタビュー集は、アーティストたちが「リアルとは何か」を問いつづけるその戦いぶりや営みを伝えてくれる圧倒的な面白さ。
西村画廊
http://www.nishimura-gallery.com/





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Ry Cooder『I, Flathead』

アイ・フラットヘッド

アイ・フラットヘッド

7/23発売ライ・クーダーのニューアルバムはカリフォルニア三部作と名付けられた『Chavez Ravin』『My Name Is Buddy』に続く最終章。
ソロアルバムをお休みしていた約20年(!)の間に磨きをかけたサウンドトラックの手法をも余すところなく伝える傑作。物語の中にグイと引き込まれ、まるで映像(もちろん存在しないのだけど)が目に浮かんでくるよう。

ロックンロール、テックスメックス、カントリー、果てはジャズまで、1曲ごとに曲調が展開していく、楽し〜〜!! しかも今回はルーツミュージックの相方がいるわけじゃなくて全曲オリジナルだ(彼のライフワークは、世界各国へ出掛けて行って現地のミュージシャンたちとアルバムを制作し、音楽の多様性を発掘するという、まさに探求の道)還暦を過ぎてこのハジけっぷり、カッコ良すぎ。
チャイナタウンあり、高級パシフィックリムが大人気、普通の住宅街にメキシコ料理屋、スーパーマーケットのデリに寿司ロールと、移民の数と比例して食文化もミックスしていくカリフォルニアを思い出す、そしてなぜかどれを食べても可笑しいくらいアメリカンな味。壮大な三部作の締めくくりで彼は自身のルーツを表現している。

Steve Reich『Daniel Variations』

ダニエル・ヴァリエーションズ

ダニエル・ヴァリエーションズ

ライヒは好きなアーティストなのだけれど、最近の動向はチェックしてなかった。
たまたま「ダニエル・ヴァリエーションズ」日本公演をTVで観る。2002年にパキスタンでテロリストに誘拐、殺害された米国人記者ダニエル・パールが遺した言葉と、旧約聖書のダニエル書をテキストにした作品。"My name is Daniel Pearl.( I am a Jewish American from Encino, California USA. -彼が人質に取られた際に撮影されたヴィデオの中で語った言葉)"というフレーズが押し寄せる。暴力を呼び起こし、それを持続させるものは何なのか、何がそれをかき立てるのか。この2週間あまり考えつつ、そしてまた聴く。
現地で事件に巻き込まれ夫を失った妻は手記を出版、アンジェリーナ・ジョリー主演で映画化も(「マイティ・ハート/愛と絆」)マイケル・ウィンターボトム監督の余計な解釈を加えないタイトな演出が、観終わった後もずっと、出せない解答を求めてくる。
「芸術劇場」 2008.7.4O.A. NHK教育
http://www.nhk.or.jp/art/
故ダニエル・パール記者の妻、夫殺害容疑者への心境を語る  AFPBB News2007.3.17
http://www.afpbb.com/article/life-culture/life/2196513/1424890

マティスとボナール展


週末は葉山の近代美術館へ。
1860年代後半からそれぞれの晩年まで計120点を越える展示は迫力がある。目当てはマティスだったけれどボナールがすごく良かった。真面目そうできれいな色調を描く画家というイメージしかなかったので。「浴槽の裸婦」「花咲くアーモンドの木」にシビレた。
モダニズムの嵐の中、老練のおじさまふたりどこ吹く風とばかりに淡々と自身の探求をつづけていた様が伝わってくるようだ。実際に淡々としていたかどうかは浅学にして知りません、なにしろ芸術家だからむしろ色々とあったに違いない。でもまるで少年が抱くようなあこがれや情熱をもって晩年まで仕事に打ち込んでいただろう、その純粋なる歓びが作品からあふれているのに気づかない人はきっといない。
そのむかし革命200年祭に沸くパリの美術館で一瞬にして心奪われた「イカロス」 その作品に再会し、もう若いとはいえない女は意を強くしたのでした、老いてなお瑞々しくあるという奇跡だけではなくその道のりをも画家は照らしていることを知って。

マティスとボナール展は7/27まで。
http://www.moma.pref.kanagawa.jp/index.html