野菜スイーツ! かぼちゃ餡の蒸し蓮根


駐車場へ車を止めドアを開けた瞬間、金木犀の香りがふわっと香る。
思わず胸いっぱいに吸い込んで「どこから...? あぁ、道の向こうのあの木よ!」と、指を指す。毎年同じように繰り返すこのやりとり。スポーツの苦手な友人は「この香り、運動会の徒競走が蘇ってほろ苦い」って、でもそう言いながらしばし木の下で香りを楽しんでいた。そうか、ネガティヴな思い出=この香り嫌い! じゃないのね。きっとあるときそれをリリースして、今はそのビターさも彼女の感性の一部にして身につけているということなのだ。
嫌なこと、つらいこと、悲しいこと、そういったネガティヴな感情を巻き起こす事や行為からはなるべく離れていたい、出来ることなら「なし」にしたいと蓋をしてしまうが、まるで無傷に人生を過ごすことなどできないのも常。避けて通れないことならば、胸に嵐が吹き荒れようと、ヨレヨレになろうと、それを受け入れ、いまできることでなんとかやり過ごすしか答えはないよね。そして後に振り返れば、それがそのときの自分の精一杯で、かつ最善の選択だったことにナットクできる日が訪れるかも。
流行の「野菜スイーツ」のスタイルを借りて、甘いばっかりじゃない方向性を表現できないものかとトライしたのが、かぼちゃの餡を詰めた蒸し蓮根。
蘇州の名物スイーツに「桂花糖藕」という蓮根の点心がありますね。中に餡を詰めた丸ごとの蓮根を「桂花醤(ケイファジャン)」というキンモクセイの花を蜜漬けにしたシロップをかけながらじっくり煮込んだもの。それを真似、それからもっと軽い甘さに仕上げようと思って、蓮根を丸ごとやわらかく蒸してから餡を詰めた。餡のかぼちゃをキンモクセイの花の色に見立て、桂花陳酒コアントロー、米飴で花の香りを移す。
蓮根の穴に餡を詰める作業は、いつも楽しい〜




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