天然わらさ 茶漬け

近所の魚屋には三浦半島沿いの港へ揚がった新鮮な魚が並ぶ。お兄さんから威勢の良い声がかかって「今日は長井港のワラサがいいよっ〜!」
ワカシ→イナダ→ワラサ→ブリの出世魚。3〜5kg程度の大きさのワラサは刺身によし。ブリほどではないが、ほどよい脂と甘みもある。天然ブリは一般の店にはなかなか出回らず、かといって養殖の脂の味は食べる気にならない。抗生物質などの使用状況もよくわからないまま、それでもよいから養殖魚を食べたいとまで思わないし。幸いなことに近所で地魚が手に入る土地、一尾まるごとなら鮮度も目で確かめて買うことができる。動物性食品(肉は食べずときどき魚)を週1程度の身には、大きさも脂も控えめな地魚が上等。以前は張り切って家でおろしてたが、店の人も快く引き受けてくれるのでこの頃は刺身用に三枚に、焼き魚だからウロコとワタだけ取って、とお願いするようになった。
鮮やかな手さばきでおろされた魚は新聞紙にくるんで持参のカゴへ入れてもらう。カゴからは途中で寄った野菜直売所の大根がにょっきり。まるでサザエさんに出てくるようなレトロ(?)な買い物姿だ〜 スーパーマーケットでプラスティックトレイにのった切り身やラップで包まれた野菜は、手も汚さず簡単に手に入るけれど、帰宅して開けた包装はゴミ箱へ直行するだけ。真新しいビニール袋を捨てるのに抵抗があっても空気穴のパンチングがされていたり臭いのついたものは再利用しにくい。「プラスティック容器リサイクル」の日に出すゴミ袋にいっぱいの中身はほとんど食品の包装やプラカップだ。「リサイクル」というネーミングにのっかって、不燃ゴミとは違うとごまかしたくなるが、これをリサイクルするのだって大きなエネルギーや税金をかけてるのよね。そういうわけで、エコバックが当たり前になった後はもう一歩すすんで、包装の簡易な店で買い物することへライフスタイルを変えよう。1軒ずつ店をまわらなくちゃいけないし、カンカン照りや木枯らしの日に軒先で買い物するのは、面倒だなと思うときもある。冷暖房完備の店内を一周すれば必要なものはすべてそろうのだから、忙しい日はついスーパーケットで便利に買い物してしまう。でも、お気に入りの買い物カゴを手に出掛ければ、農家のお母さんの日に焼けた笑顔や魚屋のお兄さんの元気でスピーディな動きにつられてエネルギーをチャージしてもらいつつ、ついでに生産者ならではの秘伝のレシピも教えてもらって、帰り道にはすっかり足取りも弾む自分に気づく。
ワラサは半身を刺身で、のこりは醤油、煮きり酒、白すりごまのタレに10分くらい漬け込む。醤油がしみた頃ホカホカご飯にのせ3切れほど。茶碗に半分残したご飯の上へ並べて熱い出汁を注げば、わらさ茶漬け。これは美味しかった!おすすめです。鯛茶とはまた違った旨味濃厚のお茶漬け。最近「ブリしゃぶ」が流行だそうですが、まさにあの味。土鍋やコンロを支度しなくても思い立ったらさっさと食べられるし、家族と普段の食事なら茶漬け方式へ軍配が上がった。



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