『Makin' Love Mix, More』 DJ YOGURT

[:W350]
アンダーグラウンドのダンスシーンで人気が出てるそうで、さっそくゲットのDJ YOGURT。イベントへ直接行かないところが、大人っていうか、現役降りてます。もはやクラブで目当てのDJが登場するまで起きていられないスローライフ人(苦笑)
このアルバムは様々な楽曲をR&Bの横串でDJ-MIXしたらどうなるか?というのがコンセプト。スイートなのにべたつかず、アガるけどチルもある、自由自在。音源は90年代から往年の懐メロのヒット曲まで網羅、ハウス、テクノ、トランス、トライバル、ヒップホップ、ジャズといった要素が豊富にそして行儀良くミックスされ、随所に音響系もちりばめられ、いちいち新しい。原宿のピテカンから青山MIX、95年前後に伊豆や三浦半島のゲリラ・レイヴで幾夜を明かした身には、もう〜たまらないっっ。書き物しながら聴いてたのだけれど、知らぬ間に身体はリズムに反応し、半分を過ぎたあたりからは「次はどう来るの〜〜?」って手を休め待ち構えてた。自分の構想したワールドを確実に表現に落とし込んで現前し、こんな田舎のリスナーにまで浸透させちゃう、彼の才能に脱帽。
21世紀のアンダーグラウンド・シーンは、意外にも健全で暖かみのあるムードに彩られ(燦々と日の降り注ぐ朝に聞いたせいかと思って、もう一度深夜のドライブでもかけてみたけれどその印象は変わらず)ファットボーイ・スリムFatboy Slim)を初めて聴いたときのような、ポップで健康的なかんじを彷彿とさせるが、彼が日本人できっと同じような音楽背景を共有してる分、もっとご近所の人に感じます。かつ、ケン・イシイの時代に比べると日本風味の気負いがないっていうか、コスモポリタンなノリ。
恐れ入るのは、アルバムごとに表情がじつに様々と変わること。『Ambient For Hard Workin' People』は、週末の午睡にぴったり。しばらく DJ YOGURTにハマりそう〜
DJ YOGURT 公式HP
http://www.djyogurt.com/




ブログランキングに参加しています。

オーガニック料理部門はこちらをご覧ください↓

にほんブログ村 料理ブログ オーガニック料理へ

Charlie Hunter@Cotton Club 16.Jan,2009


今夜はチャーリーハンター・トリオのライヴ@Cotton Club  1,2月はYoga&料理ワークショップも冬休み、春の種まきまで畑仕事も小休止のため、積極的にライヴ、観劇、バレエへ出掛け社交を楽しむシーズンに。
N.Y.の最先端を走るジャム・バンドは、東京の夜をもナイスなひとときに変える。ウワサの7弦ギターをこの目で見ましたよ! やや扇形に広がったフレットの特注ギターは3弦でベース、残りの4弦でコードとリード。あとはドラムとオルガンというシンプルなトリオ構成。確かにステージの彼は親指でベースのリズムを刻み、残りの指でコードとメロディ...重奏で聞こえてくるこの音は、ほんとうに一人で弾いてるの??っていう不思議。
週末のリラックスした雰囲気を、ほどよく力が抜け気ままなグルーヴが盛り上げる。ファンクでもありラテンっぽいノリもあり、グレイトフルデッドの延々インプロヴィゼーションを聴くときのような、気分のほどけてくるギグはまさにこんなハコ&夜にぴったり!期待以上に浮き立つイヴェントとなった。オルガンのErik Deutschもすごくよかったし。彼のとびきりの笑顔、誰とでもすぐに打ち解けるムードメイカーぶりで楽しいライヴは、すぐに日本でももっと人気が出るでしょう。次は踊れる会場でライヴをしてほしいなぁ。




ブログランキングに参加しています。

オーガニック料理部門はこちらをご覧ください↓

にほんブログ村 料理ブログ オーガニック料理へ

Mogwai@新木場STUDIO COAST 11.Jan,2009


夕焼けに染まる森戸海岸を背に逗葉新道へ向かう。山の稜線の間には大きな満月。高速道路を東へ進むにつれ、月は山からレインボーブリッジ、高層ビルへと背景を変えていく。運転席の窓のフレームにずっと満月を収めながらの幸せなドライブ1時間、なにか良いことが起こりそう〜
到着したのは新木場、モグワイMogwai)のライブ。前座の演奏とセッティング待ちでスタートしたのは20時を回っていたかな。最初は静かなギターのメロディで構成された曲が続く。ありゃ、もしかして気取った音楽をやりたいお洒落さんバンドだったかも。このまま終盤までいくなら退屈しそう...と、不覚にも思ってしまった、わたしがアホでした。
おや、なんだか音圧が上がってきたぞ..と感じた直後に爆音炸裂。押し寄せる轟音の圧倒的な迫力にもう何も考えることもできなくなって、あっさり持っていかれた。ビリビリと肋骨のあたりが振動し身体が共鳴するのがわかる。「音に触る」とはまさにこの感覚。静謐なギターとノイズの轟音とを交互に行ったり来たりしながら、その間隔とボリュームを彼らは完全にコントロールしている。音に対する美意識と絶対的な自信をもって繰り出される新しい地平へ、聴く者はただ従うしかない。
不思議なのは、これほどまでのノイズ音なのに暴力的だとか負のエネルギーをまったく感じないこと。矛盾するようだが、バリバリと測定不能の轟音の洪水に身を委ねながら心の深いところにある静寂に触れ、だんだん気分が落ち着いてくるのを感じるのだ。経済不安やガザへの攻撃、過密都市のストレスなど、生きているだけで心がザラザラしてくる今のわたしたち。体裁良く量産された「泣ける歌」などでは決してなだめることなどできない心の深い傷や闇に、彼らが提示するノイズ音がリアルな共感をもたらし、わたしたちの尖った神経をなだめ、鎮めてくれる。
話題のアルバムをサクサクっとチェックしてipodにダウンロードし、気軽に聞き流しただけでわかっているつもりになってた。やっぱライヴに足を運んで生の音に触れなくちゃ駄目だ〜 大人にればなるほど「これはこういうもの」と無意識にジャンル分けしていて、いつかは彼らのような開拓者が奏でる新しい音のうつくしさを理解できなくなる日も来るかもしれない。でもまだもう少し、感受性の限界を引き延ばしたい。混雑する会場で延々待たされて、何時間も立ち通しだったけれど、今夜この場で新しい世界を垣間見たことに感謝しよう。
...って思ったのよねー! って、帰りの車中で興奮気味に話したら「彼らが音楽で表現しようとする普遍は、まさにそれだね。キミのは郊外に住む奥さんの感想(笑)で、例えば同じ会場に来ていた都会の女の子なら、このごろ恋人とうまくいかないのだけど、ガンバってもう一度彼の心を取り戻してみよう。と、帰り道にはポジティブな気分になったんじゃない?」 そうか、世代や国を越え彼らの音楽は誰をも応援しちゃうという普遍がそこにあるわけね。すでに「恋は遠い日の花火」となってしまった主婦はそうナットクしたのでした。





ブログランキングに参加しています。

オーガニック料理部門はこちらをご覧ください↓

にほんブログ村 料理ブログ オーガニック料理へ

PAT METHENY GROUP @Blue Note Tokyo 16.Jan,2009


パットメセニーグループ(PMG)の来日公演へ。ブルーノートはパットがすごく近いよ。東京フォーラムでは小指くらいの大きさだったもの。
PMGがジャズクラブで公演するのは初めてのことだそうです。会場は背広姿も多い男性客が7割くらい。パットの超絶ギターテクを間近で観ようという元(?)ギター少年の熱気に満ちていた。クラブのフォーマットに合わせたプレイでスタート、どんなときでも観客を楽しませようというプロ意識はすごいなぁと、のんきにワイン飲んで「松葉ガニと京人参のサラダ」の前菜をつまんでいたら、別に俺たちはイージーリスニングのミュージシャンじゃあないんだぜっと言わんばかりのマジ演奏。みんな飲んだり食べたりする手をぱたりと止めて聞き入ってました(少し後ろのブース席にいたのでよく見えた^^)もちろんわたしも。都会ならではの洒落たスタイルですが、グレードの高いライヴになればなるほどご飯食べながら聞き流すなんていうのはとても無理。もっと気楽なミュージシャンのチケット取ればよいのでしょうが、そういうのには興味ないので悩ましいなぁ。
それから、今回はライル・メイズの演奏が聴けてよかった。期待を裏切らないオタク振り。彼の奇妙(おっと失敬「個性的な」です。ちょっと変わってはいるけれどほんとうにうつくしい音)なサウンドがシンセから流れてくると、パットも他のメンバーもそれに触発されて一段階違う次元の音を奏でる。彼がPMGの要と言われることの由。
アンコール1曲のコンパクトなライブ後は急に腹ぺこになって、すぐ近くのインド料理「シターラ」へ。ここへはスパイスの使い方を勉強しにときどき。どれもこれもが上品な味なのよね。オイルの質も高く、胃にもたれない。丁寧に裏ごしされたバニラビーンズ入りのライスプディングまでしっかり食べ、都会の洗練を十分に楽しみ横須賀線にゆられて帰宅。たまにはこういうのもいいかな。




ブログランキングに参加しています。

オーガニック料理部門はこちらをご覧ください↓

にほんブログ村 料理ブログ オーガニック料理へ

『JOY DIVISION』ドキュメンタリーDVD

JOY DIVISION (デラックス・エディション) [DVD]

JOY DIVISION (デラックス・エディション) [DVD]

ロードショーを見逃してしまった、ジョイ・ディヴィジョンJoy Division)のドキュメンタリー。待っていたDVDが先頃リリース。
ほとんど見たことがなかった、レアなライヴ映像、関係者への綿密なインタヴューによるアルバム制作のプロセスが興味深い。
U2のボノが”The holy voice”と評するイアン・カーティスが紡ぎ出す内省的な歌詞、他の誰にも似ていない孤高のパフォーマンス。グランド・ジー監督は、ニューウエーブの萌芽とマンチェスターという都市の再生を重ねて描き、新しい音楽が生まれる瞬間には社会的要請が存在することや、そこで生きる若者たちのリアリティを、スタイリッシュな映像とアートワークで語る。
観終わった途端にアルバムが聴きたくなって、ものすごく久しぶりに棚から引っ張りだしてきた。ここにもそこにもニューウエーブからダンスミュージックへとつながる音の実験がちりばめられていて(昔はそんな風に聴いていなかったのでぜんぜん気がつかなかった)、発表から約30年も経つというのに古さを感じない。そこには仕事という気分が一切なく、純粋に音をつくること、彼らがただその行為だけに熱中しているという空気が詰まっていて、それが確かに伝わってくるのだ。




ブログランキングに参加しています。

オーガニック料理部門はこちらをご覧ください↓

にほんブログ村 料理ブログ オーガニック料理へ

あっこちゃんライヴ@鎌倉芸術館 22.Dec,2008


久しぶりのあっこちゃん(と、呼んでしまう。矢野顕子さんです)のソロコンサート。
12月は恒例の「さとがえるコンサート」でNHKホールへ出かけますが、鎌倉芸術館でのライヴが急遽決まったと、主催の音楽事務所からご連絡いただいたので今回はこっちへ変更。席数わずか600の小ホール、ピアノが置かれただけのステージは、ライヴハウスにいるような親近感。曲の合間も椅子から立ち上がって身振りまじりでノリノリおしゃべりと、楽しい時間が満載。
「それだけでうれしい」からスタート。これは大好きなアルバム「SUPER FOLK SONG」に入っているスイートなラブソング。3曲目の「Go Girl」で早くもハンカチを取り出したら、横で連れが「やっぱり...!この曲はツボだと思った」と、吹き出す。
TVCMや番組のタイトル曲でおなじみのあっこちゃんはホンワカしたピースフルな曲を歌う歌手だと思っている方も多いでしょう。そんな包み込むような愛の表現も彼女の一面だけれど、わたしはいつも、日常の細やかなシーンを綴る歌詞と誰にも真似できないメロディと突き抜けた歌声が共存する彼女の、狂気をはらんだ魂に触れ、その力強さに揺さぶられてしまう。こんな風に自身を引き受け、そして表現することってものすごい勇気と忍耐が必要だと思うのに、彼女はそこから逃げることなく、一歩も引かない。
アンコールの「ひとつだけ」では「みんなで一緒にうたおう」という提案で、観客が歌い、あっこちゃんがそれに伴奏とコーラスをつけてくれるというクリスマスプレゼントも。彼女のピアノに促され思い切って大きな声で歌ってみると、聴いているだけでは味わうことができない、身体の中にメロディが共鳴する感じと言葉のひとつひとつが心にズシンと響いてくることに驚く。
最後は、隣の若い女性二人組も前の席のロマンスグレーの男性も涙、涙となった幸せすぎるライヴでした。
ブログランキング・にほんブログ村へ

『現代アートバブル』と、自宅で楽しむアート

現代アートバブル (光文社新書)

現代アートバブル (光文社新書)

ギャラリストが語る現代アート事情の本。作品の解説よりアート市場のしくみやアーティストやコレクター、ギャラリストが支え合って発展していくアート界の様を具体的に伝える方に重点が置かれていて、浮世離れしているように見える彼らの営みもまた経済や社会貢献といった普通のリアリティに直結している(当たり前ですが)。
好きで少しずつ集めたアートを自宅に置いて、眺めたり外出前にバタバタその前を通り過ぎたりの日々はその時々で感じ方が変わって面白い、そしてゲストの反応も様々。思いがけない感想が糸口となって話が盛り上がったり、まったくそこにないかのようにスルーする人がいたり。作品について何も語らなくても、じーっと見つめていたり。
印象深かったのは、自宅の建築をお願いした工務店の若社長さんと大ベテラン棟梁の様子。作品を飾るスペース優先で設計しホワイトキューブ(ギャラリーのような白い四角い箱の部屋)にするため「巾木いらない、ドアいらない」など、こちらの突飛なオーダーをガシっと受け止めてくれました。引っ越し後、森万里子のドローイングの、繊細で消え入りそうな色彩の前で「オレはこういうのわかんないけどさ。いいねぇぇ、これはいいよ」とニコニコ長いこと眺めていた姿にグッときちゃった。
心の会話ができるこの幸せは何ものにも代え難い。もうブランドもののバッグもダイヤモンドもいりません〜。





ブログランキングに参加しています。

オーガニック料理部門はこちらをご覧ください↓

にほんブログ村 料理ブログ オーガニック料理へ