牡蠣のしぐれ煮


昨日は雪が降ったり、みぞれまじりで寒かったですね〜 朝からどんどん気温は下がり午後には3℃だった。
もうそろそろ鍋って気分からは脱していたけれど、温かいものをふうふういいながら食べたくなって、湯豆腐。「このごろ湯豆腐をしみじみおいしいって思うんだよ、大人になったというか、歳取ったなぁ」とつぶやいた友がいたが、わたしにとって湯豆腐は子供の頃から大好きな味。
祖父が遊びに来る冬の日は、いつも台所に土鍋が出してあって「あ、おじいちゃんが来るんだ!」と心が躍った。手みやげの包みを開けて(だいたい本かお菓子と決まってた)楽しんだ後は、TVの相撲中継を肴に早めの晩酌をする祖父の隣に陣取って、あれこれ世話をする(世話してるつもりのマセた孫)「はい、お醤油」「茶碗蒸しのおさじをどうぞ」豆腐がぐるりと並んだ鍋の真ん中には湯のみに入れた醤油と煮きり酒、削り節に山盛りの薬味ネギが温めてある。子供には熱くて触れないので、祖父がとんすい(呑水)へ取り分けてくれるのを受け取る。きっとチビにはしょっぱいタレをちょっと豆腐の先につけて食べる料理なんておいしくもなかったはずだが「おじいちゃんの好物」とインプットされ、今では、出てくるだけで、あるいは支度をするだけで、幸せスイッチが入る献立のひとつになった。
で、なぜに牡蠣の写真か? 湯豆腐って、ごはんのおかずにならないでしょう。豆腐食べて、炊いて甘〜くなったネギ食べて、水菜なんかをしゃぶしゃぶして、さて、ゴハンの相手をどうする...。鍋の支度をするとき同時に焼き網やフライパンで他のおかずを調理をするのは面倒。さりとて鍋があっさりしてるぶん漬け物だけじゃさびしい、ちょっとおかずがほしいな。そんな無精者は、ある日ひらめく。牡蠣のしぐれ煮はどうだ? おー、こりゃ便利。ちょっとごちそうっぽくて手間を省くために用意したようには見えないところがいい。冷蔵庫で4,5日はもつので、時間のあるときに作っておけるし、ご飯の支度が遅くなって、晩酌を先に始めたい家人がいるときには「コレつまんどいて」と出せる一品。



牡蠣のしぐれ煮のつくり方
牡蠣400g、てん菜糖大さじ2、みりん大さじ1、酒大さじ1、醤油大さじ2/3、生姜の千切り2片分、山椒の実適宜。牡蠣は加熱用を塩水で洗っておく。てん菜糖、みりん、酒、醤油を鍋に入れて沸騰させてから牡蠣を入れる。表面がぷっくりしたところで牡蠣だけをひき上げる。煮汁を半量まで煮詰める。牡蠣を戻し1分加熱。再度牡蠣だけを取り出す。これを3回ほど繰り返し、最後は生姜と山椒も入れ、一気に煮詰めて照りを出す。コツは牡蠣を煮すぎないこと。固くなっちゃうので。最初は表面だけ火が通ればO.K.です。牡蠣を鍋に戻して加熱すると水分が出てくる、その煮汁をまた半量に煮詰める、という作業を繰り返すことで牡蠣が柔らかいまま、味はしっかり入ります。






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