『イタリア有機農業の魂は叫ぶ』 Gino Girolomoni著

イタリア有機農業の魂は叫ぶ―有機農業協同組合アルチェ・ネロからのメッセージ

イタリア有機農業の魂は叫ぶ―有機農業協同組合アルチェ・ネロからのメッセージ


愛用するオーガニック・パスタのブランド「ジロロモー二Girolomoni」は小麦の味がしっかりして深い。パッケージの裏にはジロロモー二氏の強く、意味深なメッセージが印刷してある。興味を持ち、彼の著作を読んだ。
農村に生まれた彼は、高度成長期に次々と村を離れる農民たちの姿に心を痛め、70年代からイタリアの有機農業を立て直す運動へ身を投じ、現在も実践する。その戦いと展望を描いた本。
ジロロモー二おじさんは過激である。彼は権威を信じない。心に触れるものに素直に従い、行動する。

わたしがイゾラ・デル・ピアーノの農業仲間と長距離バスに乗り、トッティに会いに行ったのは、1974年秋のことだった。(中略)彼の農場を見学して、わかったことが二つある。有機栽培された作物は、わたしたちがふだん口にしている慣行栽培のものと比べ、味も品質も比較にならないほど素晴らしいということだ。そしてなによりも、有機農業は経済的にも成り立つことを確信した。もちろんそれは、オーガニック製品が一般のものに比べ、割高であるということを前提にしている。そのことは、はっきりと指摘しておかなければならない。だが、驚くには値しないだろう。そうした現象は、食べもの以外の世界ではふつうのことだからだ。合成皮革より本革の靴の方が高いのはあたりまえだし、バージンウール100%のニットがアクリルのものより値が張るのは当然のことだろう。

数年前からわたしの講演や思索のおもなテーマになっているのは、わたしたちはいまだエジプトのファラオのもとで、煉瓦づくりに必要な藁も与えられずに、王のための煉瓦をつくらされているのではあるまいか、という考えである。そして、モーセのような指導者がわたしたちを救いにどこから現れるのか、思いをめぐらせている。
過去300年間の科学技術の劇的な進歩は、重労働や労苦から人間を解放するだけでなく、よりよい生活や長寿を保障し、それまで以上に幸せに生きることを可能にするはずであった。そのわたしたちの目標は達成されたのか。いまこそ総決算するときではないのか。たしかに寿命は延びた。だが実際には、消費のために生かされているにすぎない。

生産性を高めより利益を生む品種ををつくりだすために、改良を繰り返されてきた小麦が、子供たちのアレルギーや過敏症を引き起こす一因になっていると警鐘を鳴らす彼はまた、古代品種の小麦(スペルト、カムットなど)を増やす取り組みにも熱心だ。イタリアでの成功を経て地中海周辺の各地と手を携え有機農業の規模を広げる試みも始まっているそう。


Girolomoni 公式HP(日本語)
http://www.sokensha.co.jp/products/GIROLOMONI/b_gino.html

アルチェネッロ協同組合 公式HP(伊,英,蘭語
Montebello bio
http://www.montebellobio.it/






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