野ぶきを摘む


裏山の斜面に自生するフキが一面、青々と。野ぶきを薄味に炊いた、あの香りが鼻の奥をくすぐって(←想像しているだけなのにこのリアルさったら!食いしん坊メモリーは正確なのです)もう、本日のランチはこれっきゃない。洗濯物を干すのもそこそこに、長靴と軍手と麦わら帽子の出で立ちで山へ。
木漏れ日の雑木林では、うぐいすがコロコロと喉を鳴らし、嵐の後の澄み渡る風が頬をなぶる。足下の枯れ葉をサクサク踏みながら山へ分け入り野ブキのじゅうたんを歩く。わき芽を痛めないようにそっと根元にハサミを入れ、摘んだばかりのほろ苦い香りをかぐ。
「野ぶきはね、鎌でざくざく刈っちゃだめなのよ。根っこに近いところに小さなわき芽が出ているから、それを残して大きいのだけ取るんだよ。そうすると、また脇から伸びてきて育つんだからね」と、教えてくれたのは農家のお母さん。昨日、下山口を散歩していると納屋の軒先に「山独活(やまうど)」ってボール紙に手書きの看板を見つけ、ふらりと寄る。「こんにちは、山独活をわけてください」「野ぶきもあるよ、いらないかい?」「ウチの裏山にもたくさんあるの。こちらのは切り口がキレイね、どうやって採るのですか?」野ぶきは買わなかったのに、とても親切に教えてくださって、ありがとうございました。

さーて、さっそく野ぶきを炊こう。まな板の上においたフキに塩をふって手のひらでころがす(←「板ずり」というアク抜きの下処理です)熱湯でさっとゆがいて根元の太いところだけ皮をむき(野ぶきは細くてやわらかいので、むかなくても大丈夫)、出汁、みりん、うすくち醤油で炊く。削り節をお茶パックかガーゼにつつんで鍋にポイと入れれば(←「追いがつお」)かつおぶしが野草のエグミを消して、ほろ苦くもさわやかな春の炊きもの、できあがり。
鎌倉や葉山、横須賀辺りでは道端の無人販売や農家さんの直売所で束ねた野ぶき(山ブキ)をたくさん見かけますよ。ゴールデンウィークにドライブへお出かけの方、チェックしてみてね。あ、くれぐれも脇見運転にはお気をつけください〜





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